輝くような美しさと同時にかわいらしさも併せ持ち、同性からの人気も高い女優の中条あやみさん（28）。現在公開中の映画「ストロベリームーン 余命半年の恋」、TBSドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」（火曜後10・00）でも存在感を放っています。14歳でスカウトされ、芸能界入りした中条さんを支えていること、そして、仕事への思いを語っていただきました。（西村　綾乃）

――家族旅行中だった米領グアムでスカウトされ、芸能界入りされました。ドラマのような始まりですが、当時を振り返っていただけますか。

「グアムは家族旅行で滞在していました。まだ中学生の時で、たくさん遊んで日本に帰国する日に、空港で声をかけられたのが始まりでした。芸能界に入ってコレをしたい！とかがあったわけではなくて、最初は『ちょっと楽しそうだな』っていう興味の方が強かったんです」

――2011年にティーン誌の「Seventeen」で専属モデルとしてデビューされ、翌年にテレビドラマ「黒の女教師」で女優デビューしました。

「14歳でこの世界に入って、最初は遊び感覚という部分が強くありました。20歳頃まではお仕事というよりも、楽しさの方が先行していました」

――意識が変わったのは、司会を務めたトーク番組「アナザースカイ」だったと過去のインタビューで明かしていました。

「そうですね。10代でアシスタントを務めさせていただいのですが、色々な人が自分の人生を切り開いていく姿を見て圧倒されました。そして皆さんから共通して感じたのが『好きだ！』という思い。私はモデル、俳優、MCなど、表現をするお仕事をしているけれど、一生楽しいと思って続けられるのかなって。いろいろなことを考えるきっかけになりました」

――第一線で活躍する方の言葉は、胸に残るものがたくさんあったと思いますが、印象に残っている言葉やエピソードを教えて下さい。

「今田耕司さんが『何でも10年やなぁ』と口にされた言葉に、ハッ！とさせられました。ある職人さんの回で、職人さんが『10年続けて、やっとそこから形になり始めた』と話しているのを聞いて、今田さんが『何でも10年やなぁ･･･』ってボソッとおっしゃったんですけど、それを聞いて『私はまだ10年続けていることなんてないな』と気がついたんです。このお仕事もまだ５年くらい。その時に、５年ではまだ向いているかいないかなんて分からない。続けていくことで見えてくるものもあるかもしれないし。続けてみようと思えた瞬間でした」

――今年デビュー、14年目を迎えます。今田さんがおっしゃった「10年」を越えて見えたものはありますか。

「辞めてしまいたいなと思った時期もありましたが、続けようと向き合うと、アッという間でした。ありがたいことに、ドラマや映画などのお仕事をいただく機会が増えて、『見たよ』って言われるとうれしいです。私は地元が大阪なんですけど、大阪に帰ると自転車に乗って、近くの銭湯に行くんです。銭湯で一緒になったおばちゃんたちとお話しするのも好きで、『あんた、あんまりやったで』とかダメ出しをしてくれるのもありがたくて。でも最近は『良かったでー』って褒められることも増えて。うれしいんですけどダメだなって思うところがあったら、もっと伝えてほしいなと思っています」

――何かに挑戦したいけれど、踏み出せず悩んでいる女性に向けてメッセージをお願いします。

「10代の時は、成功したことはもちろん、うまくいかなかったことでも、どんなことも経験になる。『面白そう！』だなと思うことがあったら、どんどん挑戦してほしいなって思います。20代の今は、10代の時にできなかったことができるようになっていたり、今じゃなきゃできないこともあると感じています。30、40代と年齢を重ねていく中では、環境などが大きく変わって、悩むことも迷うこともあると思いますが、いくつになっても『やりたい！』と思った時が踏み出す時。おばあちゃんになってもダンスをしたいと思ったら、実現できる方法があると思いますし、挑戦することは生きる希望になる。素晴らしいことだって信じています」

◇中条　あやみ（なかじょう・あやみ）1997年（平9）2月4日生まれ、大阪府出身の28歳。14歳の時にモデルとして芸能界デビュー。2012年の連続ドラマ「黒の教師」で女優デビューした。ヒロインを務めた16年公開の映画「セトウツミ」で毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞を受賞。初のフォトエッセイ「明日へのことば」（幻冬舎）を刊行。出演する映画「ストロベリームーン 余命半年の恋」が公開中。放送中のTBSドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」（火曜後10・00）にも出演している。