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渡辺満里奈明かす「歌う前にそんな映画を見ちゃいけないよ」新人時代に大滝詠一さんからもらった助言とは

2026.03.21
渡辺満里奈明かす「歌う前にそんな映画を見ちゃいけないよ」新人時代に大滝詠一さんからもらった助言とは

情報番組出演やラジオパーソナリティとしても幅広く活躍するタレントの渡辺満里奈さん(55)。アイドル時代に、大滝詠一さんが別名義でプロデュースしたアルバムのリマスター盤を3月21日にアナログ盤とCDの2形態でリリースします。作品には日本ポップス界の巨人とデュエットした未発表曲も収録。「音楽に目覚めたきっかけも大滝さんだった」と言う渡辺さんが、大滝さんとの思い出を明かしてくれました。(西村 綾乃)

撮影:西尾 大助

――渡辺さんは1986年にアイドルグループ「おニャン子クラブ」のメンバーとしてデビューしました。今回リリースされるアルバム「Ring-a-Bell 30th Anniversary Deluxe Edition」は、96年にリリースされたアルバム「Ring-a-Bell」のリマスター盤ですね。

「はい。あれから30年も経ったのかという驚きと、あと大滝さんとご一緒させていただいたという喜びを、再びかみしめられるっていううれしさがあります」

――改めて当時の音源を聴かれてみて、どのようなことを感じられましたか?

「一生懸命やっている歌声を聴いて、懐かしいなという思いと、娘を見るみたいな気持ちがありますね」

――アルバムは大滝さんが、〝大瀧詠一〟名義で1枚丸ごとプロデュースしています。印象的だったことはありますか?

「気持ちや雰囲気作りをすごく大切にされる方でした。レコーディング時は、カルチャーや映画など、豊富な知識の中から、気持ちを盛り上げるために、面白い話をたくさんしてくださって、いろいろうかがったことが思い出深いです。1度、レコーディングで歌を録る前に、映画を見て行ったことがあったんですけど、スタジオに着いた時に、大滝さんに話したら、『レコーディングの前に、そんな映画を見ちゃいけないよ』って言われたことがありました」

――何の映画だったのですか?

「(バイオレンス映画の)『ナチュラル・ボーン・キラーズ』です。その日は、結構明るい曲を歌う日だったので、大滝さんから『気持ちを盛り上げるためには、スタジオに来るまでの間に自分がどんな風に過ごしてくるかは、歌う前の準備として大切なことなんだよ』と言われて、なるほどなと感じたことを覚えています。声や表現に出てしまうからでしょうね。歌の世界観を考えて、そこに気持ちを持っていくことが表現だと教えてくださったのだと思います」

――アルバムにはテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の第2期主題歌「うれしい予感」のほか、大滝さんとデュエットした「冬の星座」、大貫妙子さんが書き下ろした「高い空遠い街」と2曲の未発表曲が収録されました。

「ナイアガラサウンドの中に、自分の歌が生きている。私にとってはもう夢のような体験でした。私が初めて大滝さんの曲を聴いた時に感じた、キラキラとした音の洪水のような感覚がそこにあったので、私の歌でもこんなふうに感じるのか!と感激しました」

――渡辺さんが初めて大滝さんの曲を聴かれたのは、小学校6年生の時でしたよね?

「はい。2歳上に姉がいて、姉がレンタルレコード屋さんで借りてきた中にあったのが、『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』でした。その1曲目の『A面で恋をして』が初めて聴いた大滝さんの曲。メロディーの可愛さはもちろん、音の層がものすごく厚くて音を浴びる体験をして、一気に引き込まれました」

――音楽が身近にある生活だったのですね。

「そうですね。6年生でナイアガラサウンドにひかれて、11歳の時に初めて洋楽を聴いて、中学生になってからは、(音楽専門チャンネルの)『MTV』やテレビ神奈川の『ミュージックトマトJAPAN』(現在は放送終了)で、音楽のミュージックビデオが流れていたので、帰宅後は毎日見ていました」

――今改めて、大滝さんとの制作は、渡辺さんにとってどのようなものになったと思われますか?

「ご褒美のような、宝物のような体験でした。だってそれまでは、仙人のような存在で、私のアルバムも、(ラッツ&スターの『SOUL VACATION』以来)10年の沈黙を破ってプロデュースするという時期でしたので、『大滝さんって本当にいるの?』って、驚きの体験でしたから」

――大滝さんとのやりとりで、印象深いことはどのようなことでしたか?

「覚えているのは、おそばがお好きだったことです。よく食べに連れて行っていただきました」

――「汁はちょっとだけ」とか、おそばの食べ方も教わったりされましたか?

「どんなこともトコトンこだわる方なので、そういうことも言っていたような気もします(笑い)。落語もものすごい好きで、そういう日本の伝統芸能とか、文化とかにすごい詳しかった。とてもじゃないけど若い頃の私にはついていけない情報量でしたし、分からないことばっかりでしたけど、ずっとずっとそういう話をしてくれた方でした」

撮影:西尾 大助
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