浜松市在住・竹内由恵アナが歩むセカンドキャリア 17年前の一杯が生んだ“唯一の趣味”が示す道とは
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元テレビ朝日アナウンサーの竹内由恵さんは昨年、静岡県浜松市でコーヒーブランド「renag coffee」を立ち上げ、育児と社長業に勤しんでいます。今、新たな挑戦を始めたわけとは。素直な胸の内を聞きました。(井利 萌弥)
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――コーヒー事業を始めたきっかけを教えてください。
「もともとコーヒーが大好きなんです。テレビ朝日に入社した前後の2008年、カフェ巡りをしていたときに、紅茶派だった私が『丸山珈琲』さんのコーヒーを飲んで、本当に感動したのが始まりです。“思ってたコーヒーと違う!スペシャルティコーヒーってこんなに美味しいんだ!”と驚きました。自分の人生の感動体験の中でも五本の指に入るくらいの衝撃でした。そこから生活習慣がガラッと変わって、毎日必ず豆から挽いてコーヒーを淹れるというのがルーティンになりました。それからずっと一消費者として楽しんでいたのですが、結婚を機に浜松へ移住し、仕事を辞めたので、そのタイミングで“今後何をしたいか”を考えました。そこで、アナウンサーの仕事もいいけれど、全く違う道、特に自分の唯一の趣味であるコーヒーを極めていって、いずれ仕事にしたいと思ったんです。移住して半年後にはフライパンでの焙煎や手回し焙煎を始めて、1年後には思い切って70~100万円ほどする小型焙煎機を購入して、本格的にスタートしました」
――たまたま飲んだ一杯のコーヒーが、後の人生を動かしたのですね。
「それまで“ブラックコーヒーは苦いもの”というイメージでしたが、圧倒的な香りと味わいに衝撃を受けたあの感動を、他の人にも届けられたらいいなと思ったのが今の事業の動機につながりました。私は常に仕事のことを考えてしまうタイプで、元々あまり趣味がなく、仕事以外のことに時間をかけるのが好きではないのですが、唯一の趣味が仕事になりました。」
――起業してから、コーヒーと向き合う環境はどのように変わりましたか。
「浜松の自宅からそんなに遠くないところに焙煎所を設けました。1から自分で探して、奇跡的な出会いがあり、空き家だった場所を安く貸していただけたんです。見た目も焙煎機にぴったりで、神様からの贈り物のようにトントン拍子に進みましたね。自分がやりたいと思っていたことが叶うときって、ポンポンと一気に決まるんだなと実感しました」
――準備期間中、不安になることはありませんでしたか。
「全然なかったかもしれません。むしろワクワクする気持ちの方が勝っていました。ただ、ECサイトを立ち上げる前からYouTubeで取り上げていただいたり、自分もNOTEで発信をしたり、目標を公言したりしていたので、自分自身にプレッシャーを与えているなとは思います。“言ったからにはちゃんと拡大させていかなきゃな、だからこんなスピード感じゃだめだろうな”と…。今は子育てもしているので、思うようなスピードで進めていない気がして焦ることはありますが、不安というよりは“早くやらなきゃ”という感覚です」
――実際に始めてみて、どんな発見がありましたか。
「改めて、自分はリスクを考えて行動するのが苦手なタイプなんだなと思いました(笑い)。失敗やミスが多すぎるんです。フェスの時に豆を家に忘れてきたりとか、初歩的なミスが本当に多くて。そういう意味では、思いを形にするのは好きだけど丁寧な作業は少し苦手、というふうに、自分の苦手な分野と、得意なことが見えてきました。今は毎回のようにミスがあるので、日々新人のような感じです。それで心が折れることはありませんが、常にミスを突きつけられては“だめだわ…”、“自分いい加減にして”と自分に嫌気がさしています(笑い)。」
――たくさんの苦労を重ねながら商品を販売されて、お客様からはどんな反響が届いていますか。
「おいしかったですという声をいただきました。今は多分、私のインスタグラムなどSNSを見て買ってくださる方が多いので、概ね…というかほとんど、良い意見をいただけます。これからは、フォロワーじゃない人にも飲んでいただけたらいいなと思います」
