望月理恵 取締役と“二刀流” 耳を傾ける後輩フリーアナの悩み 金銭面、将来の不安…「私はクッション。会社側に上手に伝えたい」
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人気フリーアナウンサーの望月理恵さん(53)にはもう1つの顔があります。所属事務所「セント・フォース」の取締役です。現役アナウンサーならではの気付きを大切にしながら、奮闘する日々。華やかなスポットライトを浴びる女性アナの舞台裏で、真摯に“二刀流”に向き合う今を聞きました。(望月 清香)
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――所属事務所の取締役としてどのようなことをしていますか。
「社長に言われたのは、後輩たちの話を聞いて、会社にフィードバックしてほしいということでした。それまでも、ランチに行ったりした時に後輩たちの話を聞いて、その場で私なりにアドバイスすることはありましたが、取締役になったことで、必要があれば会社に伝えるようにしています。後輩たちにとっても、会社にとっても良い結果になることを目指すようになりました」
――望月さん自身が現役のアナウンサーだからこそ共感することがありそうですね。
「後輩の話を聞くと“分かる、分かる”みたいなことは多いですね。ただ、それをどうやって会社に伝えるかの言葉選びがすごく難しい。愚痴っぽく伝えるのではなく、改善点をきちんと伝えられるようにしないといけないので、言葉選びはすごく慎重にしなきゃと思っています」
――後輩女性アナの皆さんの悩みはどのようなことが多いですか。
「フリーアナウンサーの事務所なので、自分で仕事をしていかないと…という思いがあるので、みんなやる気もありますし、どうやって自分の個性や特技を生かして力を発揮していくかを真剣に考えています。なかなか自分の思うような仕事に就けないという焦りを持つ人もいます。金銭面や将来の不安も聞きます。それから、フリーアナウンサーでも2種類あって、私のように最初からフリーアナウンサーの人と局アナを経験した人がいてそれぞれ悩みが違うんです。その思いにできるだけ寄り添ってあげたいと思っています」
――中間管理職の側面も大いにありますね。
「会社側、マネジャー、後輩、どちらの意見も聞いているからこそ、板挟みな部分があります。私個人としてはいろいろな見方が増えたことは大きいと捉えていて、それを生かせられるかが私の課題でもあると思っています。まだまだ発展途上ですが…」
――取締役を打診された時はアナウンサーの仕事を辞めることも考えたと聞いています。
「裏方として私にできることがあるのであれば、そこに集中したいなという思いもありました。ただ、社長に“表に出ているからこそできる仕事がある”とアドバイスをいただき、表に出ているからこその気付きを大事にしようと思っています。結果的に取締役と出演する側の2足のわらじとなっていますが、皆さん今、いろいろな仕事をしていますよね。声優さんがドラマにも出るし、バラエティーにも出るし、お笑い芸人さんも本業はもちろん司会もナレーションもするし…。今の時代は1つのことにこだわらず、発揮できることがあれば、何をやってもいいじゃないかなって思うので、気付いたことを会社にフィードバックできることはすごくありがたいと思っています」
――取締役としてのご自身の手応えをどのように感じていますか。
「手応えはこれからだと感じています。それでも現場に出ている後輩やマネジャー、会社側の社長や役員と話す機会が増えたことで 、もっとこういうふうに動けばいいんだという気付きはあったかなと思っています」
――今後どのような貢献をしていきたいですか。
「後輩たちも、会社側も、私をクッションとして挟んでもらっていいと思っています。後輩から聞いた話を社長をはじめとした会社側に伝える時に、なるべく動いてもらえるように話す努力をしますし、会社側の話を後輩たちにうまく伝えられるように努めます。風通しを良くすることが私の1つの仕事なのかなと思っています。事務所の社会貢献にも尽力したいと思っています。私自身が(国際医療NGO団体)『ジャパンハート』のアドバイザーボードやフェアトレードのキャンペーンアンバサダーなどをしていることもあり、チャリティやボランティア活動などみんなで一丸となってできることかたくさんあると思っています。そういった活動も先頭に立ち、やっていきたいです」