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岸井ゆきのが語る映画愛 主演映画「佐藤さんと佐藤さん」で大切にしたこと

2025.11.28
岸井ゆきのが語る映画愛 主演映画「佐藤さんと佐藤さん」で大切にしたこと

高い演技力で見る人の心を揺さぶる女優の岸井ゆきのさん(33)。主演映画「佐藤さんと佐藤さん」が11月28日に公開されます。1組の男女が出会ってから別れるまでの15年間を描いた作品。小さな幸せやパートナーに対するいら立ちなどの日常のささいな1コマを余すことなく表現しています。そんな岸井さんが何よりも好きなのが映画。映画への思いを伺うとキラキラした笑顔で答えてくれました。(望月 清香)

撮影:会津 智海

――映画「佐藤さんと佐藤さん」はどのような作品ですか。台本を読んだ感想や作品の魅力について教えてください。

「2人の15年間が 1つの映画の作品になっています。10話のドラマにすることもできたと思うんですけど、そうではなくて、大事なところを約2時間に詰め込んでいる。夫婦の些細なやり取りがとても面白いなと思いました」

――演じる上でどのようなことを意識しましたか。

「(宮沢)氷魚さんや監督とのコミュニケーションの中で培われた関係性を凝縮して表現できたらいいなと思いました。“こういうお芝居をしたい”というよりはその場の空気を大事にしていました」

――多数の映画に出演する今も映画を見ることが何よりもの楽しみだという岸井さん。お仕事が忙しくても映画を見るのですか。

「見たいです。映画を見ている時間が一番好きです」

――どのくらいの頻度で映画館に行きますか。

「作品の撮影中でめちゃくちゃ忙しくても月に1、2回は絶対に行きたいですね。同じ映画を何回も見るのも好き。多い時は映画館に3日に 1回くらい行っちゃいます。好きな監督の監督作がいっぱい上映される時は映画館に行く回数が多くなります。行かなきゃいけないという謎の使命感です」

――映画を見ている時、“自分だったらこう演じる”など考えますか。

「全然しないです。仕事とは完全に切り分けて見ています」

――職業病で映画を純粋に楽しめないとおっしゃる役者さんも多いですよね。

「そうなんですよ。みんな “俳優の仕事をしていると映画をちゃんと見られない”って言うんですけど、“えーなんで!?こんなに楽しいのに!”って気持ちです。私は得な性格をしていると思います」

――制作者目線ではなく、いち観客として楽しんでいるのですね。

「映画を見ている時はただただ楽しくてワクワクしています。でも、この前、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』という映画を見た時は、あまりに凄くて撮り方が気になりました。車が3台走っているだけのシーンがあるんですけど、車が3台走っているだけなのに本当に本当に面白くて…。見ている時は純粋に“うわー!かっこいい!”って感じだったんですけど、後から“こんなふうに撮っているんだ”って考えました」

――映画のどんなところに魅力を感じますか。

「ただ座っているだけでどこにでも行けるっていうところが本当に魅力的だと思います。自分の生活のことを忘れて宇宙に行くピュアさを持ってるんですよ。火星だったら火星に、宇宙だったら宇宙に、アメリカだったらアメリカに行けちゃう。本当に行けちゃうんですよね。そういう時間がすごく大事だし、魅力的だなと思います」

撮影:会津 智海
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