コメディーからシリアスまで演じ分ける女優の多部未華子さん。最新作となるWOWOWドラマ「連続ドラマＷ　シャドウワーク」（11月23日スタート、日曜後10・00）では夫からの家庭内暴力（DV）に苦しむ主婦役に挑戦。身も心もボロボロになった女性が、同じ境遇の女性たちとの生活を通して自分らしさを取り戻していく姿を全身全霊で表現しています。そんな多部さんに自分らしくいられる時間や今後の目標について聞きました。（望月　清香）

――多部さんが自分らしくいられるのはどんな時ですか。

「仲の良い友達といる時ですね。友達に家に遊びに来てもらったり、一緒に外にご飯食べに行ったりするのが楽しいです」

――お酒を飲まれたりもするのですか。

「あんまり量は飲まないです。お酒を飲む時もありますけど、紅茶であろうがお水であろうがずっとしゃべっていられるような関係性です。何もない公園とかでもずっと話せます」

――仲の良いご友人はどのような方ですか。

「学生時代の友達がほとんどですね。みんな芸能界とは違う世界で働いています。育休中でお仕事とは別の頑張り方をしている子もいます」

――違う業界にいるからこその刺激がありそうですね。

「そうですね。みんな仕事の時間軸が違うし、それぞれが違うフィールドで一生懸命頑張っている。みんなの話を聞くのが楽しいし、上司にこういう人がいてみたいな会社の話を聞くのも楽しいです。お互い全然違う仕事で理解し合えない部分があるからこその話しやすさがあるんだと思います。やっぱり身近にいる友達や家族は本当に大事な存在ですね」

――今後どのように年を重ねていきたいですか。

「やりたいと思ったことは果敢に挑戦していきたいですね。やりたいこと全部手に入れたいです！昔からそういうマインドだったのですが、最近特にそう思うようになりました」

――何かきっかけがあったのですか。

「年齢なのかな。元々すごくせっかちな性格なんですけど、時間はみんな平等だから時間が許す限りやりたいことは全部やりたい、という思いがどんどん強くなりました。目の前のことを大切にしながら、いろいろなことに挑戦していきたいです」

＜取材後記＞

インタビュー中に何度も口にしたのが「楽しい」という言葉。ドラマの撮影について語る時も、子育てについて語る時も、「ふふふっ」と柔らかい笑みを浮かべながら「楽しい」と言い切った。仕事と子育ての両立は楽しいことばかりではないはず。それなのに多部さんは前向きに楽しんでいた。おっとりしたイメージとは裏腹にせっかちな性格だという。飛び出したのは「やりたいこと全部手に入れたいです！」というどん欲でストレートな言葉だ。笑顔の下に潜むエネルギーを感じた。これまでの人生も無限にある選択肢の中から自らの意思で進む道を選び取ってきたのだろう。つまずくことがあったとしても、力強く自分自身の人生を切り開いている。迷いのない笑みからは自信と充実感があふれていた。（望月　清香）

HAIRMAKE（HairMake）／中西樹里　Juri Nakanishi
STYLIST／岡村春輝（FJYM inc.）Okamura Haruki