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鈴木保奈美「若い人に“いいな、おばさんって”と思ってもらいたい」年齢にとらわれずに人生を歩むことの楽しさ

2025.05.14
鈴木保奈美「若い人に“いいな、おばさんって”と思ってもらいたい」年齢にとらわれずに人生を歩むことの楽しさ

柔らかさと強さを併せ持つ女優の鈴木保奈美さん(58)。奥底にあるのは筋の通った人生観です。現在フジテレビ「人事の人見」(火曜後9・00)で、若手社員に翻弄される人事部長を演じていますが、今回のインタビューでは、年齢に対する思いをはっきり教えてくれました。“鈴木保奈美流”の価値観にとらわれずに、人生を楽しく歩むための考え方とは…。(井利 萌弥)

――30~40代のころと比べて、ご自身の体に変化を感じることはありましたか。

「憂いても仕方がないので、そういうものだなと思ってます。ただ、体調には波があるので、自分の体の声を聞くことは大事ですよね。50代くらいになると、こういう食生活が続いていたから、こういう状態になっているなとか、だんだん見えてくると思います。“好きだけど、これは体に合っていないかも“、“なんかダメかも“とか、分かってくるので、そういう意味では、今の方が落ち着いて体調の管理ができています」

――体の声を聞いて自身の体調と向き合うことは大切ですね。そういう中でも年齢を重ねることへ不安はありませんでしたか。

「若くても、心や体に不調はあると思うんですよ。すべてが年齢のせいではないでしょうし、そもそも、世の中が “年齢を重ねるのはつらいものだ”とあおって、ネガティブなイメージを作り過ぎていると思います。むしろ、年をとればとるほど偉くなるよ、とか、楽しくなるよとか、そういうふうな考え方をもっと私たちが広めるべきではと思うんです。年をとることは絶対に避けられないものなので、それが“良くないもの”みたいになっていくと、つらくなりますよね。だから、まず“老いが良くない”っていうことの先入観をなくしたいですね」

――年齢を重ねることへのネガティブなイメージを抱いている人は多いですね。鈴木さんのような考え方は、たくさんの人に希望になると思います。

「“大変だけど、気持ちを無理に持ち上げてやっていかなくちゃ”っていう考え方に賛成できなくて。むしろ、若い人に“いいな、年取って”“いいな、大人って”“いいな、おばさんって”と思ってもらいたい」

――今後はどんなことをしていきたいですか。

「体さえ元気なら、会ってみたい人に会うとか、行ってみたいところに行くとか、面白そうなことにどんどん挑戦したいですね。ピアノを弾きたいとか、踊りを習いたいとか、やってみたいことがいっぱいあるんです。元気で、楽しく、お仕事もプライベートも充実させるために、なるべくフットワークを軽くしていたいですね」

(撮影・小海途 良幹)
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