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松たか子が理想とする仕事への向き合い方とは?「自分の役割に一生懸命になれる人でいたい」

2025.08.28
松たか子が理想とする仕事への向き合い方とは?「自分の役割に一生懸命になれる人でいたい」

10代から第一線で活躍し続けている女優の松たか子さん(48)。唯一無二の存在感と繊細な表現力で視聴者を惹きつけています。現在放送中のテレビ朝日系木曜ドラマ「しあわせな結婚」(木曜後9・00)ではミステリアスさとユーモアを兼ね備えた難役が話題に。主演の阿部サダヲさん演じる夫との愛を問うマリッジサスペンスで今クールの注目ドラマとなっています。そんな松さんに目指している女性像や撮影現場での思いを聞いてみました。(望月 清香)

撮影・河野光希

――さまざまな役柄を演じている松さん。目指している女性像はありますか。

「あまり意識したことはないかもしれないです。女性としてこう生きたいとか、こういう女性になりたいとはあまり思ったことがないですね。私はいろいろな女性の役に出会えますが、現場では男性も女性も関係ない。みんなが同じ条件の中でひたすらに作品作りを頑張っている。その中の一員でいたいなと思っています」

――そのように考えるようになったきっかけはありますか。

「若いころから今のように考えていた気がします。もしかしたら知らず知らずのうちにそう思わせてくれた方がいたのかもしれないですね。たまたま女性だった、たまたま男性だったというだけで、ただひたすら自分の役割にまい進していく大先輩たちに出会ってきたのだと思います。性別に関係なく楽しくお仕事がしたいと自然と思うようになっていました。男性に頼れる時は頼っていいし、頼らず頑張る、という時もあるかもしれない。もっと自由でいいんじゃないかなって思っています」

――理想とする撮影現場、仕事の向き合い方はどのようなものでしょうか。

「それぞれが自分の役割に集中しながら、お互いの仕事を認め合うことができたらいいなと思っています。そんな自分に自信があるわけでもないですが、自分の役割に一生懸命になれる人でいたいです」

撮影・河野光希

<取材後記>

取材で印象的だったのは松さんの瞳。黒目がちな丸く大きな瞳に吸い込まれそうだった。そんな瞳が一際輝いて見えたのは、「憧れの女性像」を聞いた時。松さんは「あまり意識したことはないかもしれないです」「現場では男性も女性も関係ないです」と柔らかな口調ながら真っすぐと答えた。「女性らしさ」に囚われない多様な生き方を探りたいという意図でした質問だったが、松さんのフラットな回答に思わずはっとさせられた。固定概念に囚われずに自分らしく生きるしなやかな強さを持っている松さん。その澄んだ瞳にどんな世界が映っているのかもっと知りたいと思った。(望月 清香)

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