木村文乃 料理は「“楽”より“楽しい”を取ってる」 調味料に頼らず作る自分だけの味“ならでは”の料理の楽しみ方
2025.09.10
料理上手で知られる、女優・木村文乃さん(37)。インスタグラムで公開している“ふみ飯”は盛り付けの美しさだけでなく、栄養バランスの良さも魅力で真似する女性が続出、フォロワーが230万人を超える人気です。木村さんは現在、フジテレビ主演ドラマ「愛の、がっこう。」(木曜後10・00)の撮影期間中ですが、忙しい中でもおいしそうな手料理が投稿されています。キッチンにはどんな気持ちで立っているのか、木村さんのお料理愛を語っていただきました。(井利 萌弥)

――料理の一番楽しいところはどんなところでしょうか。
「会話が生まれるところですかね。ご飯を食べながら“今日どうだった?”とか、“旬の食材は…”とか他愛もない話をするんです。生活の時間帯がバラバラだったり、それぞれがスマホを見ている時間もあったりして、なかなか会話をするタイミングがないと思うので、ご飯のときはそれができるなって思っています」
――冷凍食品やカップラーメンを食べることもあるのでしょうか。
「すごくありますよ。カップラーメンは、新商品が出ると買っちゃいます。家にもありますし、よく食べます。夜なんかに、背徳感を味わうんですよね。連日仕事をしていると、なかなか料理はできないので、家帰ってとりあえずカップラーメン食べようってなります」
――常に持ち歩いている、欠かせない調味料などはありますか。
「全然ないです。そうやってこだわると、それがなくなったときにすごい嫌な気持ちになるじゃないですか。“いつも醤油を持ち歩いているのに、今日は忘れた”ってなると、一日が楽しくなくなっちゃいますよね(笑い)。ご飯って、絶対食べるものなので、そういうことはないようにしています」
――料理で一番こだわっているポイントを教えてください。
「なるべく素材の味を生かすようにしています。例えば、合わせだしを使うのなら、調味料には醤油やみりん、お酒と砂糖が入っているので、自分で醤油やみりんなどを加えたりして、調味料としてなるべく“バラバラ”にするイメージでいます。凄く楽なんですけど、そうすると全部その味になっちゃうじゃないですか。私はそれが飽きちゃうんですよ。だったら自分で調味料の配合をちょっと変える。それだけで味はだいぶ変わるから」
――少しの工夫で料理との向き合い方が変わりそうですね。
「はい。そういう楽しみ方をした方が楽しいなと思います。“楽”より“楽しい”を取ってるんですよね」

<編集後記>
“楽”より“楽しい“を取る。なんて充実した人生なんだろうと思った。「タイパ」や「コスパ」が重視されるこの時代では、非効率だとあきれられるかもしれない。でも、木村さんの生き方は、そんな現代人が忘れてしまった純粋な喜びにこそ価値を見いだしている。
木村さんは売れない時代が長く、デビューからテレビドラマで主演を務めるまでに9年の月日がかかった。このことから「苦労人」と呼ぶ人がいるが、果たしてその呼び方は正しいのだろうか。絶対に安全な回り道よりも、冒険心をかき立てられる近道を選んでみたら、いばらの道だった。女優として大成するまで、努力を積み重ねたのは間違いないが、その道を進んでいる間も、自身なりの楽しさを追い求め続けていたのだとしたら、むしろ人生を謳歌しているように感じる。
トップ女優になった今も、あれこれ自分で考えては楽しさを追求し、いばらの道を歩み続ける木村さん。次はどんな挑戦を見せてくれるのか。より一層、今後の活動に期待が膨らんだ。(井利 萌弥)
