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寺島しのぶ 長男・尾上眞秀の子育てに奮闘中「最近本当に口が達者になってきました」同じ俳優としてのリスペクトも

2025.05.14
寺島しのぶ 長男・尾上眞秀の子育てに奮闘中「最近本当に口が達者になってきました」同じ俳優としてのリスペクトも

女優の寺島しのぶさん(52)は美肌の持ち主。ハリのある肌から生活の充実ぶりがうかがえます。2007年にフランス人アートディレクターのローラン・グナシアさんと結婚し、12年に長男で歌舞伎俳優の初代尾上眞秀さん(12)を出産。現在は眞秀さんの稽古のサポートに奔走しています。子育てについて聞いてみると、成長する我が子との“格闘”を語りつつも、口調と表情からはたっぷりの愛情があふれていました。(望月 清香)

――眞秀さんはどんなお子さんですか。

「眞秀は私と夫を半分ずつ受け継いでいるかなと思います。だけど、簡単にフランス人になれちゃうなという感じはしています。夫を見ていると、フランス人は個人主義で自由。自分がやりたくない時はやらないし、人のためにというよりも自分のためという感じ。眞秀にも少しそういうところはあります」

 ――お母さんとしてはついつい「稽古をやりなさい」など口出ししたくなってしまうのではないでしょうか。

「やらなかったらどんな目に遭うか分からないから、“やりなさい!”って言っちゃう。それに対して、旦那はいつも“やりなさい!と言うのは余分だ”と言います。でも“やりなさい!”を言うか言わないかで全然違っちゃうから、私はジャブのように“やりなさい!”と言っています。そこのバランスは取れていると思うんですが、やはり嫌われ役は母親です」

 ――ローランさんは眞秀さんに「やりなさい」と言ったりはしないのですね。

「そうですね。それに彼には外国人だというエクスキューズがあるから、彼を責める人がいないんですよ。外国人だから仕方がないとなる。そうなると苦情のようなことを一身に引き受けるのは私なんです。“ローランがこの前こういうことをしたけど、日本ではありえないから伝えてほしい”という話があると、それを英語で夫に説明しないといけない。夫も夫で、“いやいや…”と言い訳をする。それがもう本当に面倒くさいんですよ。中間管理職みたいな感じです」

 ――最近、眞秀さんの成長を感じたのはどんなことですか。

「眞秀は最近本当に口が達者になってきました。私からの“やりなさい攻撃”をどう免れるかの術を身につけ始めた感じですね。“僕は今はそういう段階じゃないから、今言われても困る”と理路整然と返してくるようになりました。“初日はちゃんとやるから放っておいて”とか言ってきます」

――そのような時はどう話すのですか。

「“うん”って聞き入れますけど、“お母さんの言うことも一応聞いといてね”と言います。ただ、既に私が舞台に上がるときの組み立て方と、彼の組み立て方は違うんだなと感じています」

――“眞秀流”ができているんですね。

「眞秀は本番になったらすぐ泣ける人なんだと思います。私は本番までずっと考えていないとダメなタイプ。眞秀は切り替えが早い。子供だからなのかなとは思うんですけど“なんでお母さんそんな初日に緊張するの?”って言うんです。私だって昔は初日、楽しくてしようがなかった。“お母さんも文学座時代は本当にワクワクしたし、早く舞台の上に上がりたいと思っていた。でも、いつの間にか怖くなってきた。だんだんそういうふうになるんだよ”って言うんですけど、“それを僕の今の状態に言われても困る”って。言葉で返してくるところは本当にフランス人です。ただ、そういった違いは尊重してあげようと思っています」

(撮影・木村 揚輔)
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