吉田羊 趣味はアンティーク着物「お洋服では躊躇しそうな色や柄にも挑戦できる」 カンヌ国際映画祭でのコーディネートが話題に
2025.10.03
女優の吉田羊さんは個性光るファションセンスの持ち主。中でもアンティーク着物に夢中です。公開中の映画「遠い山なみの光」(監督石川慶)の出演者の1人として参加した第78回カンヌ国際映画祭では、着物にチョーカーやレースの手袋を合わせた遊び心あふれるコーディネートを披露しました。そんな吉田さんに着物へのこだわりを聞きました。(望月 清香)

――吉田さんのリフレッシュ方法を教えてください。
「映画を見たり、お友達とご飯に行ったりすることですかね。それからアンティークのお着物が好きなのでお着物を見に行ったりします」
――アンティーク着物を好きになったきっかけは?
「20代前半のころに女優仲間に浴衣を着てライブに行こうと誘われたのがきっかけです。アンティーク着物というものがあることを知り、そこからどんどんハマっていきました」
――アンティーク着物と現代の着物はどのような違いがあるのでしょうか。
「アンティーク着物はお洋服で言うところの古着のようなもの。時代、年代も幅広く、大正時代のものから昭和初期のものまであります。着物が日常着だった頃のお着物って遊び心があって面白い柄行も多いんですね。それを見ているだけでも楽しいです」
――吉田さんといえば、昨年の大河ドラマ「光る君へ」での華やかな十二単姿も印象的でした。
「あの作品の皇族の人たちのお衣装はドラマのためにいちから作ったお衣装です。重くて着るのが大変でしたが、お着物の重みがあったからこそ当時のリアルな感覚を体験できました。自分1人ではとても着れないので、平安時代の人はこうやってたくさんの人に支えられて着物を着ていたんだなと思いを馳せることができました。色使いもすごく美しくて、同じ緑でも何百種類もあって、その1つ1つに粋な名前が付いていました。色の名前を調べるだけでも楽しかったです」
――豊かな色彩や柄を楽しめるのも着物の良さですね。
「お洋服では躊躇しそうな色や柄にも挑戦できる楽しさがあります。プライベートでは自分で着付けて楽しんでいます。私にとってアンティーク着物は衣服というよりも、もう一歩先に進んだ遊びとか自己表現に近いです。コーディネートをする時間も楽しいです」

<取材後記>
凛としたオーラをまとった吉田さん。さらりと発する言葉の端々から品性を感じた。美しい発声から繰り出される丁寧な日本語に、言葉を生業にする者として背筋が伸びるような思いだった。
私生活では健康のために“食養生”を意識しているという。「特別なことは何もしてない」とした上で、発酵食品を毎日食べていることや温かいブレンドティーが入った水筒を持ち歩いていることを教えてくれた。また、毎日朝に約4キロのランニングを行っているという。
映画にドラマ、舞台に引っ張りだこの吉田さんがハードスケジュールを送っていることは想像に難くない。多忙な中で食事や運動に気を配るのは決して簡単ではないだろう。忙しいとついつい食生活が乱れてしまったり、運動を怠ってしまうものだ。しかし、吉田さんは当たり前のことかのように自分自身をみつめ、厳しく律していた。たゆまぬ努力の積み重ねが内側からにじみ出るハリのある美しさにつながっているのだと感じた。(望月 清香)
